ひかりの森ブログ

「○○がしたい」を導きだす個別機能訓練Ⅱ

介護施設を検討し始めた方は多少なりとも「できなくなった」と感じるものがある方が多いかと思います

「思うように歩けなくなった」「趣味の絵が描けなくなった」「料理が出来なくなった」…

私たちはそのような『生活の質が低下した』と感じている方の思いや現実と不安を受け止め、そこから少しずつでも心に「○○がしたいな」「できるようになりたいな」という意欲の芽が心にポッと生まれるようなリハビリを提供できる場所でありたいと思っています

 

どうやってその方の意欲の芽を生むのか?…こたえは個別機能訓練Ⅱに隠されていると私たちは思っています

今日はひかりの森での機能訓練、特に個別機能訓練加算Ⅱにあたる考えと取り組みを少しご紹介します

複雑な介護保険制度解釈の下、個別機能訓練加算ⅠとⅡの違いに悩んでいる事業所も多いかと思います

正直、個別機能訓練加算Ⅰのほうが目標も立てやすく環境も整えやすくメニューも組み立てやすいし評価もしやすいかと…(^^;

でも…個別機能訓練加算Ⅱには「介護施設であるからこそ」「生活に密着している現場だからこそ」の視点がもたらす目標設定と実践が可能です機能訓練でもⅠよりもⅡのほうが大変柔軟性のある領域であり、その方の心身機能の向上効果が見込める大切な領域であると私たちは考えています

(だからこそⅠよりⅡの加算のほうが単位が高いんでしょうね…

個別機能訓練加算Ⅱは生活歴や人生観、個別機能訓練加算Ⅰの身体機能評価やHDSーR結果等ふまえつつ、如何に自然なタイミングでその方に働きかけを行い訓練に加えていくかを考える必要があります。

ひかりの森の機能訓練(リハビリメニュー)の主軸はPT・OT等セラピストが検討しつつも相談員や介護職員に関しても機能訓練につながる気づき、発想力提案力等のスキルが必要になる…それがⅡの領域です。また、介護施設としての質が問われる部分がⅡにはあり、且つデイサービスの変革が可能な領域がⅡにはあるようにも思います

 

 

半日デイが開設したばかりの頃、フロアに飾るためにスタッフが作っていたほおずき飾り

それを見た利用者様から「これ、私も前は作っていたの。私も自分でまた作ってみたいわ」と興味を示されたのが数年前

当時その思いを相談員がセラピストに伝え機能訓練として目標設定からリハプログラムに加える検討を重ねるプロセスを経てその発せられた思いがその方の生活の質を高める目標のひとつとなりましたつくり方を思い出せるような働きかけを主にOTで行い、翌年秋には「自宅で自分でできたよ」と持ってきて下さいました

そして先日もこの利用者様から今年の作品がデイに届き現在飾られています

今ではデイの訓練からは離れたこのほおづき飾り作り『以前取り組んでいた趣味の獲得』がこの方のひとつの目標と実践に対する評価結果です。このほおづきを見られることが私たちの喜びになっています

スタッフの視点で大切な事は、制度仕組みの知識の理解度や「これがⅠ」「これがⅡ」という知識を前面に出す必要は無く、あえて言うならご本人に機能訓練と感じさせない自然な働きかけが出来るか否かですまた、スタッフがレクリエーションと訓練の違いを理解できていてこの働きかけのプロセスと着地点を頭で考えられているかも大切です

どうしてその目標で訓練を行い、どのような効果が心身にもたらされたのかを考えた上で提案し、その実践後の評価がなければただのレクリエーションになってしまう…加算Ⅱは特に目標によってはただのレクリエーションに近くなってしまうリスクもあるのでそこは紙一重である認識を常に保ち取り組む必要があります

 

こちらは前回のブログでお伝えしたとんぼの句を詠んで下さった方の作品です

デイでとんぼの句を詠んだ事がきっかけで自ら自宅でも次回の句を考えるようになっている様子がみられるようになりました

デイでも来所してすぐにペンを取りメモ用紙で句を考えて下さっている様子が日常にみられるようになった事を受け、新たな機能訓練Ⅱの目標と活動としてご本人にも提案し、機能訓練実践に取り入れる事になりました

「ここに飾るのか~毎回楽しみだ」と専用の俳句展示スペースを何度も行き来し嬉しそうなお姿に私たちもうれしく思います


デイの質が問われる時代、淘汰されていく時代に生き残るためには個別機能訓練の知識の向上や各種専門職がリハ職と協働できる環境づくりなど日頃の努力はとても大切です

 

数あるデイサービスの中から私たちひかりの森を選んで下さった瞬間から私たちのその方に向けての支援は始まります

見学時から契約、機能訓練のための初期評価や在宅アセスメント、計画作成と利用、再評価…その方を支援するための体制を整えるためのサイクルに妥協なく取り組むことで変化に順応できる視点を保ちその時その瞬間のご本人ご家族に納得してもらえる介護サービスとリハビリを提供提案していけるのだという思いで日々業務に取り組んでいます日々何気なく流れる時間は貴重です毎日の業務を皆で共有することで支援体制が『個』から『輪』となり質の高い受入れ体制が整う事を私たちは肌で感じています

本日も元気に営業中です